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★ 熊野別当(くまのべっとう)


 熊野別当とは熊野三山の実際の統括者。その役職は社僧が務め、代々世襲制。
 熊野別当は宗教組織の長であるだけでなく、熊野水軍などの軍事組織の長でもありました。

 熊野別当でもっとも有名なのが、平安時代末期の第21代熊野別当の湛増(たんぞう)。

 源平の合戦も大詰めに入ったころ、湛増は平氏に縁があったため平氏を見限ることができず、平氏に味方するか源氏に味方するかを迷い、田辺の新熊野神社(いまくまのじんじゃ:現 闘鶏神社)で占いをたて、神意を問いました。
 その占いとは、社前で赤白の鶏をたたかわせ、赤の鶏を平氏、白の鶏を源氏に見立てて勝ったほうに味方するというものでした。赤白の鶏を相対峙させてみると、白の鶏がすべて勝ちました。これを見て、湛増は源氏に味方することを決めたといいます。
 湛増は200余艘に及ぶ熊野水軍を率いて壇の浦へ出陣。平氏を壇の浦に沈め、源氏を勝利に導きました。

 義経の従者弁慶は湛増の子とされ、熊野には数カ所、田辺や鮒田など、弁慶が生まれたと伝わる場所があります。

 この文章の最初に「熊野別当とは熊野三山の実際上の統括者」と書きましたが、形式的な役職としては熊野三山検校(けんぎょう)という役職がありました。熊野三山検校は名誉職的なもので、実際に熊野に赴任することはなく、熊野御幸の折に先達をつとめる程度であったようです。

熊野別当関連の説話

  • 熊野別当、武勇を好むこと
  • 熊野別当行快の武勇
  • 平家物語5 以仁王の挙兵
  • 平家物語11 湛増、壇ノ浦へ
  •  湛増について詳しくは湛増ファンサイト「たんぞう」で。

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    熊野別当家略系図

    長快15
    ├─────────────────────────┬───┐
    長範16                       長兼17 湛快18
    ├────┐                        ├───┐
    行範19 範智20                      湛増21 湛政24
    ├──┬────────┬─────────┐       ├──┐
    範誉 行快22     範命23       行遍      湛顕 湛真27
       ├────┐   ├──┬──┐   │       │  ├──┐
       尋快28 琳快25 定範 良範 快命26 覚遍      快実 湛順 定湛29
       ├────┐   │  │      │             ├────┐
       浄快30 俊快   長政 良智     覚増            正湛31,36 堯湛34
            │   │  │      │             │
            快覚  長真32 湛智     定増             慶湛
            │   │  │      │             │
            快全 長慶33,35 湛誉     定有             宗湛39
                          │
                          定遍40

     

    (てつ)

    2008.12.22 UP
    2008.12.27 更新

     ◆ 参考文献

    山本殖生 監修『熊野―異界への旅』別冊太陽 平凡社

     

     


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