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プチ熊野古道歩き「中辺路:那智駅~熊野那智大社」

 和歌山県那智勝浦町

熊野那智大社近辺の熊野古道「中辺路」

 妻とともに、リハビリをかねて熊野古道を歩きました。3週間ほど前までは松葉杖生活でしたので、かなり遅いペースです。

 今回歩いた「那智駅 → 熊野那智大社」は全体的にはなだらかな上りとなっているコースで、距離は約7km、2時間15分ほどのコースです。
 普通の体力がある人であれば、問題なく歩くことができると思いますが、不安のある方は大門坂バス停(車でお越しの方は大門坂駐車場)からスタートしてもよいと思います。古道らしい道が残るのも大門坂入り口からですし。

市野々王子大門坂入口

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那智駅~熊野那智大社(約2時間15分コース)

 

・JR那智駅
  ↓(0.2km;3分)
浜の宮王子
補陀洛山寺
  ↓(2.5km;45分)
・尼将軍供養塔
  ↓(0.9km;15分)
市野々王子
  ↓(1.3km;20分)
・大門坂入口
  ↓(0.4km;7分)
多富気王子
  ↓(0.5km;15分)
・那智山駐車場
  ↓(0.4km;10分)
熊野那智大社
那智山青岸渡寺
  ↓(0.9km;15分)
那智の滝
  ↓(0.3km;5分)
・滝前バス停

 なおこの所要時間には休憩時間・見学時間・参拝時間などは含んでおりませんので、その点はご注意ください。

アクセス
 バスをご利用の方は、JR紀伊勝浦駅から熊野交通バス神社お寺前駐車場行きで約20分、大門坂バス停下車。

 勝浦の宿泊施設

てつの熊野古道歩きレポート

2005.10.26(金)曇りときどき晴れ

 今回は那智駅から那智の滝までを歩いた。
 11:00前に那智駅着。駅に隣接して「丹敷の湯」という公衆温泉浴場がある。帰りに温泉に立ち寄るのもよい。

JR那智駅

 国道を挟んで向かいの浜の宮王子・補陀洛山寺に行く。大きな楠が迎えてくれる。梛の木もけっこう大きいのがある。11:15、出発。

 県道43号の右側を歩くが車が怖い。医院の看板の所で狭い道に入る。車の通りがなくなって一安心。住宅地のなか、舗装された道路を歩く。平坦な道。

那智山への道

 再び県道に出る。県道を挟んで左側に那智川。那智勝浦線の看板の所をまた住宅地のなかの狭い道に入る。普段はこのような景色を見ても何とも思わないが、あらためて観光客のような立場で歩いてみると、いい所だなあと思う。

那智山への道

 しばらく行くとまた県道に出る。ここからしばらくは県道を歩くことになる。左側に歩道があるので、道路を渡って歩道を歩くことにする。左は那智川。

那智山への道

 11:32、川関の庚申塔。道路の右側にあるので、道路を渡って見に行く。那智勝浦町指定文化財。

川関の庚申塔

 「曼荼羅のみち」と刻んだ石碑を頼りに狭い道に入っていく。
 11:46、山のなかに入って地道になる。周囲は杉桧の植林地。竹林の箇所もあった。やっぱり土の道はいいね。緩やかな登り。

曼荼羅の道

 少しだけ開けた場所があると思ったら、茶畑があり、人家があった。ちょっとびっくり。

 12:10、尼将軍供養塔。土地の人々から「尼将軍」と呼ばれ親しまれている。尼将軍とは源頼朝の妻、北条政子のあだ名。北条政子が我が子を供養するために建保6年(1218)に建立されたと伝わる。ここでおやつを食べる。

尼将軍供養塔

 12:23、山を出て開けた墓地に出る。ふだらく霊園。この霊園には、尼将軍に使え、尼将軍の廟所を代々守った所縁の人々の墓があり、頼朝の死後に植えられたと伝えられる樹齢800年の柿の古木がある。ここからちょっとだけ下り。

ふだらく霊園 柿の古木

 霊園から降りると、荷坂の五地蔵、12:26。平宗清が石屋の弥陀六と名を変えて、一の谷の合戦で亡くなった平敦盛(清盛の弟経盛の子)を供養するために作ったと伝えられる。

荷坂の五地蔵

 住宅地のなかの道路を歩く。
 12:55、市野々王子。境内社に地主八咫烏神社がある。
 市野々小学校の校章も八咫烏。

市野々王子

 13:10、お杉屋(おすぎや)。市野々王子の元宮。
 終戦の頃まで毎年、旧暦9月7日には、写真のような「お仮屋(おかりや。建てかけて完成していない家)」を建て、ウガヤフキアエズノミコト(神武天皇の父)をお祭りしてきたが、終戦後、絶えた。これは、2004年に熊野古道が世界遺産に登録されたことを記念して再建されたもの。

お杉屋

 13:24、二ノ瀬橋を渡る。
 県道43号を渡って、大門坂入口に。13:30。古道らしい道が残るのはここからなので、ここからスタートしてもよい(バスを利用の方は大門坂駐車場前バス停下車、車の方は大門坂駐車場に駐車して古道歩きスタート)。

大門坂入口

 13:35、南方熊楠が3年間滞在した大坂屋旅館跡。

南方熊楠が滞在した大坂屋旅館跡

 鳥居をくぐり、振ヶ瀬橋という小さな橋を渡る。この橋が俗界と聖域とを振り分ける境の橋。

振ヶ瀬橋

 13:40、夫婦杉。樹齢800年。大きい。下の写真、人が小さく写っているけれど、小人みたいに見える。石畳の石段も素晴らしい。
 夫婦杉の手前に大門坂茶屋があり、平安衣装の貸し出し(有料)を行っている。ここから先は大門坂が終わるまで民家はない。

夫婦杉

 13:45、多富気王子。中辺路最後の王子社。傍らに庚申が祀られている。

多富気王子

 石段の両サイドは1本通り、樹齢500年以上の大きな木が並ぶ。ほとんどが杉だが、ときおり楠も。見事な杉並木。振り返って下を見る。
 十数年前に歩いたときは石畳が苔むしていたように思うのだけれど、今回歩いてみると苔がない。世界遺産になって歩く人が増えて苔が剥がれていったのかな。

大門坂

 13:50、熊野古道バス停近くを通る。時間のない方はここからスタートしてもよい。

 14:00、十一文関跡。昔、ここで通行料を取った。
 ここから那智の滝が見えた。今日初めて見る那智の滝。

那智の滝

 14:05、267段、約600mの石段が終わり、開けた場所に出る。かつては仁王像が立つ大門があって、大門坂と名付けられたのはこのためだという。
 ここから左右どちらに行ってもよいが、左に行くと神社お寺前駐車場。右に行くと、土産物の背後を回ることになるが、安倍晴明にちなむ史跡「晴明橋の石材」がある。花山法皇が那智山に3年籠った際に、お供した安倍晴明がこの付近に庵を結び、庵を晴明庵、庵近くの橋を晴明橋と呼んだと伝えられる。

晴明橋の石材

 晴明橋から那智の滝までは10分ほどだが、店に入り、遅い昼食を取る。14:30に店を出る。

 足に不安があったのと時間の余裕がなかったのとで、熊野那智大社・那智山青岸渡寺は今回はパス。参らずに直接、那智の滝の滝本に行くことにする。この石段は今の私にはしんどい。

那智山の石段

 滝前バス停でバスの時刻表を見る。3:01のがあるので、それまでに戻るようにする。
 鳥居をくぐり、石段を下って滝本へ。14:40。那智の滝を拝んですぐ引き返す。滝前バス停に戻ったのは14:54。バスを待つ。

那智山の石段

 バスが来て乗りこむ。那智駅まで17分ほど。大人470円。
 2時間ほどかけて歩いた道のりもバスならあっという間。だけれども、やっぱり歩いてお参りした方がありがたみがある。

 那智を訪れるときは、ぜひ大門坂入り口からでけっこうですから熊野古道を歩いていただきたいなあ。大門坂入り口から熊野那智大社までは30分ほどですから。
 夫婦杉。石畳の石段。石段の両側に並ぶ百本以上の杉の大木 。美しいです。

 今回、私どもは熊野那智大社・那智山青岸渡寺をパスしましたが、足腰に不安のある方でもタクシーを利用すれば石段を上らずにお参りすることができます。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 道しるべがあるので、道に迷うことはないと思いますが、地図を携帯されることをお忘れなく。

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(てつ)

2005.10.29 UP
2019.11.15 更新

参考文献

熊野古道の歩き方
プチ熊野古道歩き