■ そまのおさんぽフォトアルバム

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◆ 石見神楽の夕べ


2003.7.12

和歌山県の印南町で印南町文化協会設立30周年記念行事「いなみ文化の集い」が開催され、島根県の伝統芸能・石見(いわみ)神楽が上演されました。前売券は完売で当日券もわずかだったようですが会場の印南町体育センターで無事当日券を購入。この体育館が満席になったのははじめてだそうで客席は2階席までほぼ満席、はじめの式典のあとに印南町文化協会有志による祝舞・印南盆唄が披露されました。このあとの写真はカメラが1台電池切れ。(^^;)アップで写真が撮影できずに残念です。
そして島根県益田市の石見神楽高津社中の方々による石見神楽の上演です。始めの演目は「羯鼓(かっこ)」。高天原から熊野の音無川に下った羯鼓(小太鼓)を手に、神禰宜(かんねぎ)役の演者が踊ります。この「羯鼓」と次の「切目」はかつて熊野古道の「切目王子」(五体王子のひとつで印南町にあります)で舞われていたという演目で、熊野から出向いた御師・先達・比丘尼などにより伝えられ、島根の石見神楽の中に受け継がれていたものが今回800年ぶりに熊野の地に里帰りを果たしたのです。 次の演目は「切目(きりめ)」。切目の神と社人とが、神と陰陽五行説について問答します。

切目 「さて、其の垂迹は。」
介添 「事解男、速玉の男、伊那諾の神社。」

なるほど、熊野の御祭神の名がセリフに入っています。800年前の上皇たちが切目王子でこの御神楽を見ていたのだなあと思うと感慨深いものがありました。(部分動画はこちら。1.71MBで表示に数分かかります。転用御遠慮ください。)

 次に「鍾馗(しょうき)」。鍾馗が疫神である鬼を退治します。角のついた鬼の大きな面が、迫力のある存在感を出していました。御神楽のはじめにある出掛唄「・・・八雲立つ 出雲の神をいかに思う 建須佐之男を人は知らずや」。 鍾馗は手に持った白い「茅の輪(ちのわ)」で鬼をとらえ、喜びの舞を踊りました。石見神楽はアメリカやソ連等でも上演されているそうですが、鮮やかな衣装とテンポの良い御神楽は、言葉がわからなくても、きっと楽しめることでしょう。 次に「大江山」(別名・酒呑童子)。一条天皇の勅命で京都の大江山に鬼退治に行く源頼光一行は「我はこれ、熊野住吉八幡宮の使いなり。」という天狗の姿の使いの言葉により羽黒山の山伏に扮し、都からさらわれてきた姫の案内で鬼の岩屋に辿りつきます。

酒に酔った童子を、頼光たちは退治します。この演目の鬼の面は額にぼこぼこと瘤があり、斧を持った金時も、生き生きとした所作が印象的でした。手から糸を繰り出す、酒呑童子。くるくると回りながら戦う様子も迫力で、拍手喝采でした。 そして今日のクライマックスは、「八岐の大蛇(ヤマタノオロチ)」。舞台狭しと動き回る八岐の大蛇は酒を飲んで酔い、須佐之男命は退治にかかります。(部分動画はこちら。2.70MBで表示に数分かかります。転用御遠慮ください。) 口から火を噴いて暴れる、八岐の大蛇。迫力の場面に、またまた拍手喝采!大蛇は須佐之男命に次々に首を獲られてゆきました。今回の御神楽上演は短縮版だそうで、本来はひとつの演目が1時間ぐらいあるそうです。いやはや、どれも素晴らしい御神楽です。石見神楽をいつか島根で観てみたい!そう思いながら帰路についたのでした。

参考文献:「日本の美を舞う 石見神楽」(矢富巌夫著・石見神楽高津社中刊)

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