■ 熊野の観光名所
◆ 渡御前社（わたりごぜんしゃ） 和歌山県新宮市御渡町619
神武天皇の仮宮跡
JR新宮駅から北西に徒歩約15分。
新宮（熊野速玉大社）の境外末社とされる渡御前社。
千穂ヶ峯の山麓、神倉神社から熊野速玉大社へ向かう途中に渡御前社はあります。
渡御前社は「神武さん」とも呼ばれ、神武東征の折の神武天皇の頓宮（とんぐう：にわかごしらえの仮の宮殿。仮宮）跡と伝えられます。
御祭神は神武天皇で、例祭日は２月２日（旧紀元節）及び４月３日（旧神武天皇祭）。
以下、境内の由緒書きより。
熊野権現 熊野速玉大社 末社
渡御前社一、御祭神 神武天皇
一、御由緒 境内は神武天皇頓宮跡と伝えられ、古来、速玉大社末社と江戸時代の古書に記されている。明治四年本社へ合祀、昭和四十六年五月二日に再建した。
南方熊楠の「神社合祀に関する意見」には、
もっとも如何（いかが）に思わるるは、皇祖神武天皇を古く奉祀せる渡御前の社をも合祀し、その跡地なる名高き滝を神官の私宅に取り込み、藪中の筍（たけのこ）を売り、その収入を私（わたくし）すと聞く。
とあります。
参道と鳥居のまっすぐ進んだ方向には岩壁があり、もともとは岩壁がご神体であったのではと思わせます。岩壁には雨天時および雨後に滝が現れます。
◆ 参考文献
久保昌雄/久保広晃 撮影、熊野文化企画 編集『今昔・熊野の百景』はる書房
中沢新一 責任編集・解題『南方熊楠コレクションV 森の思想』河出文庫
アクセス：JR新宮駅から徒歩15分
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■新宮市の観光スポット |
（てつ）
2010.1.23 UP
2014.5.21 更新
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