■ 熊野の説話 |
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◆ 熊野先達、人妻のもとに通うこと |
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鎌倉時代の高僧、無住(1226〜1322)が著した仏教説話集『沙石集(しゃせきしゅう)』に熊野先達(くまのせんだつ)が登場するお話があります(巻第五末 三)。熊野先達とは熊野詣の案内役をする僧のことで、道中の儀礼や作法の指導も熊野先達が行いました。
そう遠くはない昔、常州に高観坊という山伏がいた。近隣に藤追(とうつい)という百姓がいて、その妻のもとに高観坊が山伏の跡継を作ろうと思ったのだろうか、通っていた。 高観坊が下向の後、すぐにあの家に行ってみると、逃亡していて人はいない。近隣の者に問うても、もとより行方を隠していたので、知る人はいない。
こう書いてあるのを見て、しみじみと思われたので、必ずしも妻が見るはずはないだろうけれど、志のゆくところを、妻への返事と思ってこのように柱に書き付けた。
志だけは並々でないが、歌の姿は五七五七七の形を離れ、じつに優美でない。ただし万葉の歌のなかには、必ずしも三十一字でないものもある。ただ思いを述べれば、それで歌になるのではないか。(以下略) 日本各地の人々の熊野への参詣は、おおむね近隣に住む先達に案内指導されて行われたようです。 (てつ) 2005.8.15 UP ◆ 参考文献
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