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★ 王子(おうじ)


 王子とは、熊野権現の御子神だと考えられています。
 熊野詣が一大ブームとなった院政期に、多数の王子が紀伊路・中辺路ルートに出現しました。

 それらは総称して熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ)と呼ばれました。九十九というのは実際の数ではなく、「数が多い」という意味ですが、実際、最盛期には99に近い数の王子がありました。

 各王子では、奉幣(幣を奉る)と経供養(般若心経などを読む)などの儀式が行われ、里神楽や馴子舞、和歌会などの奉納が行なわれることもありました。

 九十九王子のなかで、熊野十二所権現のうちの熊野五所王子(若一王子・禅師の宮・聖の宮・児(ちご)の宮・子守の宮)を祀る王子を「五体王子」といい、とくに格式が高い王子だとして崇敬されましたが、どの王子が五体王子なのかは史料により異なります。

 院政期の熊野ブームが生みだした王子ですので、王子の大半が院政の終焉とともに衰退していきました。

(てつ)

2008.3.16 UP

 ◆ 参考文献

小山靖憲『熊野古道』岩波新書

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