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湯登神事(ゆのぼりしんじ)

熊野本宮大社例大祭の幕開け

湯登神事

一行の湯垢離の後、湯峰王子での八撥神事。氏子さんの「あがりやそうー!」「さがりやそうー!」という掛け声と太鼓の音と御神楽と共に、稚児らは父親に左へ3回、右へ3回、最後に左へ3回まわされます。

湯登神事

小鼓を持った稚児らは父親に肩車をされて(八撥神事後の稚児らには神が宿ったとされ、神聖なので神事の時以外は地面に降ろしてはならない)大日越をします。

 

4月13日の午前9時30分から、熊野本宮大社の春季例大祭の幕開けである恒例の「湯登(ゆのぼり)神事」(県無形文化財)が斎行されます。

はじめに本殿前で神事の後、九鬼宮司、神職、氏子一行、稚児(3歳までの男子)を肩車した父親たち(今年は6組)、修験者、怜人(御神楽の奏者と雅楽の奏者)、太鼓等の約50人の行列は熊野本宮大社本殿を出発し、石段を降りました。

「しらまゆみ しらまゆみ やがていのりのかどをこそ・・・・・」

神歌(かみうた)を唱えながら氏子総代さんが太鼓を打ち、一行は祭りの幟がはためく国道168号線沿いにJRバス本宮駅まで渡御し、バスで湯峰に移動後再び渡御を続け、今年は湯峰温泉の老舗旅館「いせや」に移動しました(隔年交代で老舗旅館"あづまや"と"いせや"が湯垢離の潔斎場になります)。

湯峰で湯垢離・潔斎食の後、額に赤く「大」の字を書かれた稚児たちが午後1時に潔斎場である旅館を出発し、一行は湯峰王子で祝詞奏上等の神事の後に八撥(やさばき)神事(稚児たちの頭に神が宿るとされる)を奉納し、熊野古道の大日越(だいにちごえ)を月見岡神社まで渡御します。

月見岡神社に到着すると再度八撥神事が奉納され、午後3時頃に旧社地の「札の辻(ふだのつじ)の木の鳥居前で一行は一旦解散。

午後5時からは「宮渡(みやわたり)神事」が斎行され、再び一行は本宮大社で八撥神事の後、夕闇がせまる中、列の後ろで地元の子供達が提灯をかかげて旧社地まで渡御し、祝詞奏上や八撥神事が斎行されます。その後は真名井社まで渡御して本日最後の八撥神事が斎行され、一行は本宮大社まで戻り、解散。

例大祭はこの後14日午前10時からの「船玉大祭」(漁業の安全祈願)や、15日午後1時からの「神輿渡御」(神事、舞の奉納、護摩焚き等)へと続きます。

(そま)

2004.4.13記
2008.6.1 UP
2023.4.12 更新

参考文献