国指定天然記念物、高さ100m・幅500mの巨大な一枚岩
古座川の流れに沿って屏風のようにそそり立つ、高さ100m、幅500mの一枚の巨岩。国指定の天然記念物、古座川の一枚岩。
江戸時代の紀伊国の地誌『紀伊続風土記』の相瀬村の条では一枚岩のことを「実に天奇地霊天下第一の奇観といふべし」と記しています。
一枚岩の守り犬
一枚岩についてはこんな伝説が残されています。
昔、太地に岩が大好物という魔物がいた。その魔物は岩の多い古座川流域に目をつけ、下流から岩を次々と食い荒らしていった。
一枚岩までたどり着いた魔物は一枚岩に食らいついた。そこへ一枚岩上流に住む犬がやってきて猛然と吠えて、魔物を追い払った。そのおかげで一枚岩とそれより上流の岩は食い荒らされずに済んだ。
このときの魔物が食らいついた歯型が一枚岩のほぼ中央に現在も残っており、魔物の悔し涙が一枚岩に流れ落ち、「陰陽の滝」と呼ばれる滝となったと伝えられる。
虫喰岩や牡丹岩などは魔物に食い荒らされた痕だったのですね。(^-^;
この一枚岩を守った犬のことを「一枚岩の守り犬」といいます。
YouTubeに一枚岩の守り犬の動画がありました。↓
巨大な地衣類が生えています
一枚岩の岩面には巨大な地衣類(菌類と藻類の共生生物)が生えています。
ヘリトリゴケという種類の地衣類で、この古座川の一枚岩に生えるヘリトリゴケは国内の地衣類では最大最長命。あるいは世界最大最長命かもしれないともいわれます。
日本屈指の清流、古座川
一枚岩に沿って流れる古座川の清流。
古座川は大塔山系に源を発し、古座川町、古座町を流れ、熊野灘に注ぎこむ、延長60余kmの日本屈指の清流です。
古座川流域には奇岩奇峰が多く、一枚岩の他、虫喰岩・牡丹岩・飯盛岩・天柱岩など、自然の造型の不思議に驚かされる奇勝に巡り会うことができます。
(てつ)
2003.5.23 UP
2012.5.5 更新
2013.7.2 更新
2013.7.19 更新
2020.3.20 更新
参考文献
- 和歌山県古座川町総合観光パンフレット
- 『紀伊続風土記 (第1-5輯)』臨川書店
一枚岩へ
アクセス:JR古座駅からバス、松根行き、一枚岩バス停下車
駐車場:道の駅 一枚岩 鹿鳴館に無料駐車場あり