■ 熊野を知るためのキーワード |
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★ 補陀落渡海(ふだらくとかい) |
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那智の浜近くにある補陀洛山寺は「補陀落渡海」の出発点だったことで知られています。 「補陀落渡海」とは、補陀落を目指して船出すること。 「補陀落」とはサンスクリット語の「ポタラカ」の音訳で、南方の彼方にある観音菩薩の住まう浄土のことをいいます。『華厳経』にはインドの南端にあると説かれているそうですが、観音信仰の流布とともに、チベットや中国にも補陀落は想定されました。チベットではラサ北西に建つ、観音の化身ダライラマの宮殿をポタラ(補陀落)宮と呼び、中国では舟山諸島の2つの島を補陀落としました。 日本国内の補陀落の霊場としては那智の他に、高知の足摺岬、栃木の日光、山形の月山などがありましたが、記録に残された40件ほどの補陀落渡海のうち半数以上が那智で行われています。熊野は補陀落渡海の根本道場といってもよい場所でした。 那智の浜からは25人の観音の信者が補陀落を目指して船出したと伝えられています。 補陀落渡海の多くは11月、北風が吹く日の夕刻に行われたそうです。 渡海僧が乗りこんだ船を復元したものが補陀洛山寺境内にある建物のなかに展示されています。
船のしつらえや渡海の方法などは時代により異なるのでしょうが、補陀落渡海とは、いわば生きながらの水葬であり、自らの心身を南海にて観音に捧げる捨身行だったのでした。 (てつ) 2008.2.28 UP ◆ 参考文献
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