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花の窟神社例大祭 御綱掛け神事(おつなかけしんじ)

 三重県熊野市有馬町上地130 口有馬村:紀伊続風土記(現代語訳)

『日本書紀』に記述のある古くから伝わる神事

 『日本書紀』には「一書に曰く」として次のようなことが書かれています。

 イザナミは、火の神カグツチノカミを生むときに、陰部に大火傷を負って死んでしまう。その遺体は紀伊国の熊野の有馬村に葬られる。村人は、この神の魂を祭るのに、花のときは花をもって祭り、鼓・笛・幡旗をもって歌ったり舞ったりして祭る。

 多くの神々を生んだイザナミは、最後に火の神カグツチを生み落とし、陰部を焼かれて死んでしまいますが、そのイザナミを葬った場所がこの花の窟だとされています。

 花の窟神社では、毎年2月2日と10月2日に、『日本書紀』にあるような、花を飾り、舞を捧げる「お綱掛け神事」という神事が行われます(このページの写真は2010年2月2日に撮影)。

お綱かけ神事

 神事は午前10:00ころから始まります。

お綱かけ神事

 10:30ころ、岩壁の上から、重りをつけた細い綱がするすると下りてきます。
 すでにかかっているお綱は去年の秋のお綱かけ神事でかけたもの。たいがいは落ちてしまうようですが、今回は残っていました。2本のお綱がかかるとその年は豊作になるとか。

お綱かけ神事

 細い綱に太い綱をつけて引き上げていき、太い綱を岩壁の上の木にくくりつけます。

お綱かけ神事

 百数十mもの綱を、国道を越え七里御浜まで引っ張っていきます。

お綱かけ神事

お綱かけ神事

お綱かけ神事

お綱かけ神事

 綱をコンクリートの支柱にかけます。

お綱かけ神事

お綱かけ神事

 綱を境内に戻し、松の木にかけます。綱の端をぐるぐる巻いてとめます。

お綱かけ神事

 秋のお綱が残っていて、今回かけたお綱と合わせて2本お綱がかかっています。
 今年はよい年になりそうです。

お綱かけ神事

お綱かけ神事

 小学生の女の子の舞の奉納。凛々しくていいです。
 お綱掛け神事で舞を捧げたことのある女性の方からいただいたメールをご紹介します。

 花の窟のお綱掛け神事では、4人の舞姫がイザナミやカグツチに舞いを捧げますが、私も10歳のときに学校を早退して踊りに行きました。
 10月の神事に向けて夏休みから、朝の9時から正午まで練習しました。
 舞う為の条件は小学4年生と決められていて、舞姫は全員で6人いました。
 髪が長くないといけないので、短かった私は一生懸命伸ばしました(ただ待つだけ)。
 当日では髪をできるだけ高いところで結い、付け毛をして舞いました。
 踊りは花の窟と産田神社の二回舞います。

 とのことです。

 神事が終わるのは12:00ころ。

お綱かけ神事|2002.10.22007.2.22010.2.22011.2.22014.10.2

(てつ)

2010.2.8 UP
2020.2.2 更新

参考文献

花窟神社へ

アクセス:JR熊野市駅から徒歩15分
駐車場:無料駐車場あり

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