■ 熊野の歌

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◆ 熊野詣の手鞠唄


 口熊野、田辺の辺りの子供が伝えた手鞠唄。南方熊楠が「紀州俗伝」という文章に書き留めていますが、それが収録された本が手元にないので、中上健次の『紀州 木の国・根の国物語』から孫引き。

私の隣の松さんは、熊野へ参ろと髪結うて、
熊野の道で日が暮れて、跡見りゃ怖ろしい、先見りゃ畏い、
先の河原で宿取ろか、跡の河原で宿取ろか、
先の河原で宿取って、鯰一疋押えて、
手で取りゃ可愛し(また酷し)足で取りゃ可愛し(同上)線香で担うて燈心で括って、
仏様(ほとけさん)の後で、一切食(くら)や旨し、二切食や旨し、三切目に屁放(へ)って、
仏様へ言うて行たら、仏様怒って遣ろうと仰った

 これには異伝があり、

燈心で括って田辺へ売りに往て、売れなんで、内に持って来て煮いて、
一切食や旨し、二切食や旨し、三切目に屁放って、田辺へ聞こえた

 また、

西宮の和尚様が、火事やと思うて、太鼓叩いて走った

 子供の歌です。手鞠唄だから女の子が歌ったのかな。それとも男の子?
 今でも伝えられているんでしょうか?

(てつ)

2008.10.13 UP

 ◆ 参考文献

中上健次『紀州 木の国・根の国物語―中上健次選集〈3〉』小学館文庫

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