■ 熊野の説話

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◆ 皆地笠の由来


 和歌山県田辺市本宮町皆地(みなち)は、皆地笠(みなちがさ)と呼ばれる、檜で編んだ手作りの笠の産地として知られていました。その皆地笠の由来。

 昔、とある雪の降る寒い夜、皆地の村に一人のお坊さんがやってきて、灯りの点いた家を訪ねて泊めてもらった。
 お坊さんはその家の人にお礼にヒノキで編む笠の作り方を教えて去った。笠の作り方を教えてもらった人は村の人々にも笠の作り方を教え、お坊さんの名が「奇仙(きせん)」といったので、「奇仙笠(きせんがさ)」と名づけて笠を売りに出した。
 軽くて丈夫な「奇仙笠」は評判を呼び、筏流しの人や山で働く人など、みんなに使われるようになり、貴い人も賤しい人も上下の隔てなくかぶったので、「奇仙笠」を「貴賤笠(きせんがさ)」というようになった。
 「貴賤笠」は、その産地にちなみ「皆地笠」ともいう。

 皆地笠は本宮町を代表する伝統工芸品ですが、現在、その伝統の技を受け継ぐ人物はただひとりとなってしまいました。
 京都比叡山で千日回峰する行者がかぶる笠もこの人が編みます。また、茶道宗家などからの注文で籠や茶道具を編むことも。そのような籠や茶道具は桐の箱に入れられ、何百年と使われることになるそうです。
 素晴らしい工芸品ですので、本宮町にお越しの際のおみやげに皆地笠はいかがでしょうか。

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(てつ)

2009.3.29 UP

 ◆ 参考文献

正和さん作『皆地の里の昔話』

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