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◆ 石船川(いしぶりがわ)


■ 石船川

滝尻王子 滝尻王子の前で富田川(とんだがわ)と合流する石船川(いしぶりがわ)。

 「滝尻(たきじり)」の名は、石船川の急流が富田川に注ぐ滝のような水音からきたといいます。

 富田川はかつて岩田川(いわたがわ)と呼ばれ、熊野詣の重要な垢離場(こりば)のひとつでした。
 岩田川は熊野古道「中辺路」を歩く参詣者が初めて出会う熊野の霊域から流れ出ている川であり、熊野詣の道中で最も神聖視された川であったのです。

 参詣者が初めて岩田川に出会う稲葉根(いなばね)王子から熊野の霊域の入り口である滝尻王子まで、参詣者は十何度と岩田川を徒渉しました。
 熊野から流れる清らかな川の流れを徒歩で渡ることで罪業をぬぐいさることができると考えられたのです。

 滝尻王子に入る前にも川の流れに身を浄めなければなりませんが、ここでは岩田川(富田川)と石船川の二つの川が合流しています。仁和寺所蔵の熊野縁起には、

 滝尻で水浴する事は、右河は観音を念じて浴す、左河は薬師を念じて沐す。

 とあるそうで、右の川(岩田川)は観音菩薩の補陀落浄土から落ちてくる水であり、左の川(石船川)は薬師如来の浄瑠璃浄土から落ちてくる水であると念じて水浴せよ、と滝尻でとる垢離の心構えを記しています。

 岩田川と石船川の清らかな水に心身を清めた後に、参詣者は滝尻王子の社地に入りました。

『夫木抄』から1首。

三熊野や石ふり川のはやくより ねがひをみつの社なりけり

(忠盛朝臣)

(訳)熊野三山は、石船川の流れよりもはやく願いを満たす3つの社であることだ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

栗栖川荘:紀伊続風土記(現代語訳)

(てつ)

2011.2.5 UP

 ◆ 参考文献

『紀伊続風土記』臨川書店

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■歌の作者:
花山院…1首
西行…1首
藤原為家…1首

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