■ 熊野の説話 |
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◆ イザナミの墓所 |
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イザナミノミコトは、夫のイザナギノミコトと力を合わせ、日本の国土を生み、数々の神々を生んだ、日本および世界の母のような神様。 イザナミノミコトは、火の神を生むときに、陰部に大火傷を負って死んでしまう。その遺体は紀伊国の熊野の有馬村に葬られる。村人は、この神の魂を祭るのに、花のときは花をもって祭り、鼓・笛・幡旗をもって歌ったり舞ったりして祭る。 また、妻の死に逆上したイザナギに、生後間もなく斬り殺された火の神カグツチの墓もそこにあります。 女性の性器から火が出る神話はメラネシアやパプアニューギニアなどにありますが、火の起こし方が性行為を思わせたところからの発想のようです。 女性の性器から火が出る神話で、ちょっとおもしろいのがパプアニューギニアのマリンド=アニム族の神話。 あるとき、男の祖先のウアバは、女の祖先のウアリワムブの小屋の中にこっそり忍び込んで、無理矢理犯した。するとそのまま体が離れなくなって、苦しんでいるのを翌朝、仲間の祖先たちに発見された。 そのものずばり性行為から火が生まれています。 さて、花の窟では、現在でも毎年2月2日と10月2日の年2回、『日本書紀』にあるような、花をもって祭り、舞を捧げる神事が行われています。 花の窟のお近くにお住まいの女性の方からメールをいただきましたので、ご紹介いたします。 花の窟のお綱掛け神事では、4人の舞姫がイザナミやカグツチに舞いを捧げますが、私も10歳のときに学校を早退して踊りに行きました。 メール、ありがとうございます。こういう情報はやはり地元の方ならではのもので、とてもありがたく思います。 火の神カグツチを生み、陰部に火傷を負って病み臥し、苦しみながら死んだイザナミですが、死ぬまでの間、病床にありながら、イザナミはさまざまな神々を生みました。『古事記』から現代語訳すると、 反吐でできた神の名はカナヤマヒコノカミとカナヤマヒメノカミ(男女の金属の神)。次に糞でできた神の名はハニヤスヒコノカミとハニヤスヒメノカミ(男女の粘土の神)。次に尿でできた神の名はミツハノメノカミ(水の女神)とワクムスヒノカミ。ワクムスヒノカミの子はトヨウケヒメノカミ(食物の女神)という。イザナミノカミは火の神をお生みになったためについにお隠れになった。 人間は、火を使うことによって、金属器を作ったり、森を切り開いて農耕をしたり、粘土と水から土器を作ったり、食物を調理したりすることができるようになりました。 自分達の存在を根底から支えてくれる母のような自然。自然なしには一瞬たりとも生きていけない。しかしながら、人間は、その母なる自然を破壊することによってしか生きていけない。 さて、話を戻して、イザナミの墓所について、『古事記』では、「出雲の国と伯伎の国との境にある比婆の山に葬り祀った」とあり、広島県比婆郡にある比婆山がそれだとされています。 (てつ) 2000.7 更新 ◆ 参考文献
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