備長炭(びんちょうたん)は紀州で作られる硬質の白炭です。
主な炭材はウバメガシ。ウバメガシはガラスに傷が付くほどに硬い材質の木です。そのため、炭同士を打ち合わせると金属音を響かせます。白っぽい色をしているのは灰をかぶせて消火するためです。
この白炭製法は弘法大師空海が中国から紀州に伝えたとされ、和歌山県田辺市秋津川が備長炭発祥の地といわれています。
「備長炭」の呼称は、紀州藩の炭問屋「備長屋」の名にちなみ、江戸時代、元禄年間(1680〜1709年)から使われるようになりましたが、それ以前は産地にちなみ熊野炭、田辺炭などと呼ばれていました。これらのほとんどは江戸に運ばれ、都市生活を担う高品質な燃料として珍重されました。
備長炭は料理用燃料として最高品質を誇る木炭です。備長炭の火は、ガスの火に比べて圧倒的に火力が強く、水蒸気を発生させることもないので、食材をからっと焼き上げます。500度くらいで安定した火力を保ち、うちわで扇ぐと1000度まで上昇させることができます。ぱちぱち跳ねたり、灰が飛んだりすることはありません。また他の炭と比べて2〜3倍の燃焼時間があります。
また、備長炭は、燃料としてだけでなく、活性炭のような吸着用素材として利用することもできます。
備長炭を電子顕微鏡で見ると、無数の穴が開いています。穴の表面積は、備長炭1グラムで約300平方メートル(約180畳)もあり、そのため吸着力に優れた性質をもっています。
備長炭のこの優れた吸着性が着目され、現在では、かつての炭焼きさんが想像もしなかったような様々な製品が作られています。
調理用燃料としてはもちろん、暖房用燃料、浄水、炊飯、お風呂、除湿、消臭などにお役立てください。
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